厚生労働省の助成金の多くは毎年4月に見直しが行われますが、非正規雇用の従業員(契約社員、パート・アルバイト、派遣等)の待遇改善時に活用できる「キャリアアップ助成金」に関し、今年注目すべきコースを2つご紹介します。
1.正社員化コース【支給要件変更】
非正規雇用の従業員を、正社員や無期雇用へ転換し、転換後の賃金をUPした場合に支給。
〔現行〕
転換後6ヶ月間の賃金(賞与を含めることも可)を、転換前6ヶ月間より5%以上増額。
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〔変更後〕
転換後6ヶ月間の賃金(賞与を含めることは不可)を、転換前6ヶ月間より3%以上増額。
有期(非正規)→正社員 :57万円
有期(非正規)→無期(非正規):28.5万円
無期(非正規)→正社員 :28.5万円
※下記の場合は助成額を加算
・派遣従業員を派遣先で正社員として直接雇用:28.5万円
・母子(父子)家庭の母(父)を正社員や無期雇用へ転換:4.75万円~9.5万円
・多様な正社員(勤務地限定・職務限定・短時間)制度を新たに規定し、多様な正社員へ転換:9.5万円
「転換後6ヶ月分の賃金を支給した日」の翌日から2ヶ月以内
2.障害者正社員化コース【新設】
障害のある非正規雇用の従業員を、正社員や無期雇用へ転換した場合に支給。
賃金UPは不要。ただし、転換後も転換前の賃金額を維持している必要あり。
有期(非正規)→正社員 :90万円(120万円)
有期(非正規)→無期(非正規):45万円(60万円)
無期(非正規)→正社員 :45万円(60万円)
※( )内は重度障害者や精神障害者の額
第1期:「転換後6ヶ月分の賃金を支給した日」の翌日から2ヶ月以内
第2期:第1期支給対象期の「次の6ヶ月分の賃金を支給した日」の翌日から2ヶ月以内
キャリアアップ助成金は、助成金の対象となる取組を実施する前に「キャリアアップ計画」の提出と、利用するコースによっては就業規則の見直しが必要な場合があります。
また、既にキャリアアップ計画を提出している企業が新設されたコースを利用する場合、計画届の変更が必要となりますので、ご注意ください。
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