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コラム

雇用調整助成金の特例措置
令和4年4月以降にかかる申請の取扱いが一部変更

 企業が従業員に支払った休業手当の一部を助成する雇用調整助成金について、先日のコラムで令和4年4月以降の助成率と日額上限をご案内しましたが、申請方法についても一部(主に3点)変更されることが公表されました。

1.業況特例における業況の確認を毎回実施

 判定基礎期間(1ヶ月単位)ごとに、毎回、業況の確認を行い、要件を満たせば業況特例を、満たさなければ原則的な措置(地域特例に該当するときは、地域特例)が適用されます。
 
【適用】
令和4年4月1日以降に初日がある判定基礎期間の申請から

2.最新の賃金総額による平均賃金額の算出

 新型コロナの特例措置が長期間にわたり継続される中、助成金額を算出するための平均賃金額も初回に算定したものを継続して適用していることから、最新の賃金総額に応じた平均賃金額に見直しが行われます。
 また、常時雇用する労働者の数、資本の額等により、企業規模の変更も可能になります。
 
【適用】
・“労働保険申告書”から平均賃金額を算定している場合
 令和3年度の労働保険確定保険料申告書の受理日以降の最初の申請から
・“所得税徴収高計算書”から平均賃金額を算定している場合
  令和4年6月1日以降の最初の申請から

3.休業対象労働者と休業手当の支払いが確認できる書類の提出

 “判定基礎期間の初日において雇用保険の適用が1年未満の企業”と “労働者災害補償保険のみ適用されている企業”は、休業対象労働者と休業手当の支払いが確認できる書類の提出が必要になります。
 
【適用】
令和4年4月1日以降に初日がある判定基礎期間の申請から

 雇用調整助成金はコロナ禍の厳しい状況にある企業への支給ということで、迅速に支給決定できるよう申請手続の大幅な簡素化が行われてきましたが、その一方で不正受給の報告(令和3年12月末現在:261件・約32億円)が後を絶ちません。
 不正受給の多くは、雇用関係にない者を従業員として装ったり、実態のない休業や休業手当の支払を事実のように見せかけて申請していることから、令和4年4月以降の申請では、これらの不正を未然に防ぐことを目的として、これまで以上に厳格な内容確認が行われることになります。

厚生労働省リーフレット「雇用調整助成金等の申請内容をより適正に確認します」はこちらをクリック
厚生労働省資料「雇用調整助成金等の不正受給対策について」はこちらをクリック

 

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大塚寿里
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企業をとりまく環境はめまぐるしく変わり、頻繁な法改正に加え、働く人の意識も変化しています。
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